農村RMOについて

農村RMO とは「農村型地域運営組織」のこと。
農用地保全の活動が加わっていることがRMOとの違い

 RMO(地域運営組織)はRegionManagementOrganizationの略で、農村RMOは、「農村型地域運営組織」という意味です。

 RMOは、政府が地方創生の一環として、人口減少や高齢化が著しい地域でも必要な生活サービス機能を維持・確保できるように、地域住民自らによる主体的な「小さな拠点」づくりを支援するものとして生まれました。

 地域の将来プランの策定や、持続可能な活動のための収益確保を行いながら地域課題の解決に向けた多様な取り組みを展開します。この背景には市町村の職員数が減るなど、行政サービスの低下や生活インフラ関連産業の撤退による地域の利便性の悪化が進んできたことがあります。

 総務省によると、2022年度のRMOの数は7,207組織あります(図表①参照)。RMOは、自治会や公民館、地区社会福祉協議会(地区社協)、PTA、民生委員、消防団、老人クラブなど、地域内の各種組織が参加しています。そして、福祉や防災、環境などテーマごとに部会を置き、地域の生活を支える多様な活動を行っています。農村RMOは、こうしたRMOの取り組みに農用地保全や農業を核とした経済活動が加わったものといえます。

図表① RMO(地域運営組織)の形成数

農村RMOの必要性

 各地の農村では、条件が不利な地域ほど農業従事者 数の減少が著しくなっています(図表②参照)。特に集落の戸数が10戸を下回ると、農地保全などの集落活 動が急激に低下しています。市町村の職員数が減り、このため複数集落の農業関係組織を広域化し、既存のRMOなどと連携しながら地域全体の農用地保全、地域資源の活用、生活支援を展開していくことが必要となります。

 農村RMOについては、大まかに3つの形成パターンが想定されています。①集落営農や中山間地域等直接支払の集落協定など集落単位の農業関係組織が既存のRMOを含む地域組織と連携するパターン、②集落営農や集落協定が活動内容を発展させて農村RMOへ進化するパターン、③既存の地域組織が農用地を保全する組織へアプローチをして農村RMOを形成するパターンです。

 農村RMOを形成するまでの過程は地域状況等に応じて多種多様であり、決められた手順に基づき進められるものではないため、農村RMOの形成を進めていく上では、地域住民の皆さまによる十分な話合いが必要と考えられます。

 農村RMO形成推進事業では、将来ビジョンを策定し、それに基づいて農用地保全、地域資源の活用、生活支援に取り組むことがポイントになります(図表③参照)。農用地保全の活動が加わっていることがRMOとの違いと言えます。